インタビュー Vol.95
アイドルから実力派ミュージカル俳優へと突き抜ける努力の天才
小池徹平
ドリーム・キャラバンで初めて共演するかたは
昆(夏美)さんとは今年1月~2月に上演したミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』でも共演しています。山本耕史さんは映像作品ではご一緒していますが、コンサートでは皆さん初めてです。本当に楽しみですね。
WaT(ウエンツ瑛士さんと)として2005年~2016年まで、音楽ユニットでご活躍されていた時期も長かったですが、ミュージカルをやってみようと思われたきっかけは
もともと僕は歌を歌っていたので、演出家の宮本亜門さんにお声をかけていただいて、舞台経験はほとんどなかったのですが、挑戦してみようと思い、2013年『メリリー・ウィー・ロール・アロング』のチャーリー役でミュージカル・デビューをさせていただきました。
宮本亜門さんはどんなかたですか
すごくエネルギッシュでパッションとアイディアに満ち溢れているかたですね。僕も初めてのことだらけで、右も左も全く分からない中で丁寧に優しく接してくださり、その時の共演者が柿澤勇人くん、宮澤エマさん、海宝直人くん、上山竜治くん等と一緒だったのですが、ミュージカル界の第一線で活躍している人たちの中で、僕だけ全然できなくて、本当に自分だけが置いてきぼりにされているような感覚で、当時は全員が20代という同世代でしたがみんなが凄すぎてそれに圧倒され衝撃を受けました! それからですね、真剣に自分に足りないものを追求して真面目に勉強していこうと決意したのは。それから、やっていくうちにどんどんミュージカルが好きになり、出来ないことも楽しみながら学んでいくという感じでした。僕自身はコツコツと積み重ねて同じことを何度も何度も練習するのは割と苦にならないんです…。そして何より演じていて本当に楽しいですね。どの作品においても、仲間や共演者にも恵まれていて、みんなに支えられていることに感謝しかないです。
5月はミュージカル『るろうに剣心 京都編』の緋村剣心役を演じられましたが
こちらも体力の消耗が凄くて大変でしたが、作品の力に救われているところが大きくて疲れていてもテンションはいつもハイでしたね。生まれて初めて殺陣にも挑戦して、IHIステージアラウンド東京という客席が360度回転する劇場も初めてでしたし、剣心は沢山の相手と闘うので、殺陣のシーンが凄まじくて、僕は普段は左利きなんですが、刀は右手で持って訓練して毎日身体中が痛かったです(笑)。演出家の小池修一郎先生はすごく丁寧に寄り添ってくださって、愛に包まれた現場にいられてこの作品からも色々な経験を積ませていただきました。
殺陣を訓練するための体力作りは
普段から健康管理には気をつけてトレーニングはやっていますが、演じながら舞台の中で肉体を鍛え上げたという感じです。殺陣は凄まじかったですが、痛みを超えるほどの楽しさがあって、上演している間は痛みを忘れていましたね。終わると身体中痛かったですが…(笑)。僕はマチネとソワレの間に食事をすると緊張感が抜けてしまって、うまくパフォーマンスができなくなるので、ゼリー状の流動食みたいなものを補給して、帰宅してからは目一杯食べて身体のケアとコントロールに心がけています。
スランプになったときの解消法は
お酒を飲むことくらいですかね~。本番終わりには毎日飲んでいます。そこでやっと我に還るという感じでしょうか。『キンキーブーツ』のときも毎晩明日の舞台に立つためのリフレッシュしていました。今年は12月に入って色々落ち着いて、やっと自分の時間が取れるようになったので、いまは少しホッとしています(笑)
ちなみに、アルコールは何がお好みなのですか
特に好きなのは芋焼酎が大好きですが、ワインも日本酒もほどほどに何でも飲みます(笑)。普段は「三岳」とかを飲んでますが、「赤霧島」や「魔王」も好きですし「森伊蔵」も大好きです。
気を許せる俳優仲間はいらっしゃいますか
今年再演したミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』では昆夏美さんとも共演しましたが、古田新太さん、DA PUMPのISSAさんは大尊敬する先輩のお二方なので、いつもカッコいい背中を見させていただいき刺激をもらいながら学ばせてもらっています。ほかにも『ロッキー・ホラー・ショー』のチームの俳優仲間とは今でも親しくしていますね。
今年は立て続けに座長公演が続きましたが、『キンキーブーツ』も本当に素晴らしかったです! 2016年の初演から、2019年の再演と2022年再々演を終えたいまの感想は
3年ぶりの開催となりましたが、この間、コロナ禍であったり、(日本初演・再演でローラを演じた三浦)春馬がいない状況で、複雑な心境でしたが、47公演無事に上演できて本当に良かったと思いました。
『キンキーブーツ』城田優さんのローラは
これまで三浦春馬と一緒に作り上げてきた『キンキーブーツ』ですが、再々演の今回に関しては大切な存在であるローラを演じられるのは、僕は(城田)優しかいないと思っていました。優が演じたローラを見て、改めて『キンキーブーツ』っていい作品だよね!って思ってくれる方が沢山いたらいいな~って。この作品が日本で上演され続けるのを望む事は春馬も同じ考えなので、春馬の意志も継いでやれたのではないかと思いました。そして何より、絶対的に信頼できる俳優がいいと思っていました。優とは高校時代の同級生でもあり20年来の友達だから、何でも言いたいことがお互いに言い合えるし、実力とオーラと華やかさが兼ね備わっている優しかローラ役は思い浮かばなかったです。だから僕からも優に「ローラを演じてよ!」って頼みましたし、彼もオーディションを受けて、決まって本当に良かったです。稽古が始まる前には優とも色々話し合いました。そして、ついに初日を迎えて、この短期間で本当に素晴らしい見事なローラを演じてくれたと思いました。僕のチャーリーと優のローラの身長差も凄くて、ヒールを履いたローラはまるで怪物のように大きくて華やかだったでしょう!! 春馬もきっと喜んでくれていると信じて、再々演は僕にとっても深く特別な思いがありましたね。
今後チャレンジしてみたいことは
『ロッキー・ホーラー・ショー』や『キンキーブーツ』のようにhappyなミュージカルは大好きなので、面白くて楽しい作品にはどんどん出演して観に来てくださる皆さんを笑顔にできたらいいですね。
『ミス・サイゴン』のクリス役はどうですか
僕からしたら東宝ミュージカルはやはりとても凄いなと思うので、もしお声がけ頂けるなら嬉しいです。
帝劇デビュー 主演ロナン役の『1789 ー バスティーユの恋人たち』も東宝作品でした
そうですね。この作品はで加藤和樹さんとWキャストでしたので『るろうに剣心 京都編』に比べたら体力的にメチャクチャ楽でした!(笑)
Wキャストの場合、お相手の演技が気になったりはしませんか
和樹さんとは「るろうに剣心 京都編」でも共演しましたが、気心も知れていますし、確認ごとや動きの決まっている部分は揃えようとは思いますが、それぞれの俳優の個性なので、Wキャストでも全然気にならないですよ。
最後にドリーム・キャラバンにご来場くださるファンの皆様にひとことお願いいたします
僕の地元、大阪、そして名古屋、広島、高崎と4公演に出演させていただきます。日本を代表するオーケストラとジャズのビッグバンドが奏でる豪華なサウンドに有名ミュージカル曲やスクリーン・ミュージックをのせて歌います。ぜひ皆さんと一緒にドリームな楽しい思い出を作れたらいいな~と思いますので各劇場でお待ちしています!!
初対面の印象は少年漫画の主人公みたいに爽やかな笑顔が可愛くて、まさに『キンキーブーツ』ロスに陥っているさなかでしたので、チャーリーが目の前にいるようでお会いできて本当に嬉しかったです。
2001年「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」グランプリを獲得!2002年ウエンツ瑛士さんと「WaT」でデビュー(2016年解散)し、今年で芸能界デビュー20周年を迎えられました。
小池さんの舞台を最初に観劇したのは2016年帝劇『1789 ー バスティーユの恋人たち』でした。その後も映画や様々なミュージカル作品、そして現在はドラマ『科捜研の女 2022』と大忙しの小池さんですが、インタビューでいちばん驚いたのは、役への愛着心を上回るほどの作品愛が強くて、自分の役を演じたい俳優がいれば、僕以外のひとにも演じて欲しいとまで! 自分の努力で勝ち取った役なのに、それを惜しげもなく言い切ってしまう生真面目さに度肝を抜かれました。そして、私が更に感動したのはInstagramに『キンキーブーツ』千穐楽のご挨拶文を投稿する際に三浦春馬さんのタグ付けをされていたこと。この繊細な気配りに小池さんの人柄が現れていると思いました。
作品を大事にする小池さんにとって、まさに『キンキーブーツ』のチャーリー役は代表作のひとつと言っても過言ではないと思います。今回のドリーム・キャラバンでは総勢70人のオーケストラをバックに「The Soul of a Man」を歌っていただきますので、あの感動的名シーンを想い起こしていただければ嬉しいです。
そして、出会うひとを幸せにするキラキラのオーラを放っていらっしゃる小池徹平さんに是非会いにきてください。
小池徹平さんのドリーム・キャラバン関連メディア出演情報(予定)
12/17(土)Music Subamarine(東海ラジオ)DJ:源石和輝 ON AIR:27:00台
12/22(木)中日新聞朝刊に記事掲載予定
12/23(金)OH!MY CHANNEL!(東海ラジオ)DJ:大前りょうすけ ON AIR:13:00〜15:00
12/26(月)SWEET BOX(ZIP-FM)ナビゲーター:高木マーガレット ON AIR:16:00〜
※注:急きょ予定が変更になる場合がありますことをご了承ください。最新情報はTwitter(@JPMAJAZZ)でもお知らせいたします。
小池徹平さんが出演するドリーム・キャラバン公演日程
2022年12月28日(水)フェニーチェ堺 大ホール
2023年1月5日(木)愛知県芸術劇場 コンサートホール
2023年1月10日(火)広島文化学園HBGホール
2023年1月31日(火)高崎芸術劇場 大劇場
小池 徹平
大阪府出身。第14回ジュノン・スーパー・ボーイコンテストでグランプリを受賞し、翌2002年ドラマ『天体観測』(フジテレビ)で俳優デビュー。2013年『メリリー・ウィー・ロール・アロング〜それでも僕らは前へ進む〜』でミュージカル初主演を務め、2016年『1789–バスティーユの恋人たち–』、ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』の演技で第42回菊田一夫演劇賞受賞。近年の主な出演作に、『科捜研の女2022』(テレビ朝日系)、TV『准教授・高槻彰良の推察season2』(WOWOW・東海)、『わげもん〜長崎通訳異聞〜』(NHK)、『青天を衝け』(NHK)、『ギルティ~この恋は罪ですか?~』(YTV)、舞台『魔界転生』『ロッキー・ホラー・ショー』『るろうに剣心 京都編』など。
■Official Site
※本公演は、新型コロナウイルスの感染拡大状況に伴う、国や自治体から発布される制限事項に従って開催いたします。最新情報は当ホームページにてご確認くださいますようお願いいたします。