インタビュー Vol.79
 

凛々しくも鮮烈な演技力でミュージカル界に新風を!

宮澤佐江

 

幼い頃から芸能界への憧れはあったのですか?

歌うことが大好きで、週末に家族とご飯を食べに行った帰りには必ずカラオケに行くのが定番でした。ダンスも好きで、小学3年生からダンス教室に通ってレッスンしていました。学校便りに、将来の夢は芸能人とかアイドルになりたいと書いていましたね(笑)
 

小さい頃に憧れていた芸能人は?

平山あやさんに憧れていました。女の子がボーイッシュな格好をしたりするのは今では当たり前ですが、その当時は新鮮で、格好いいなーって思っていました。

 

デビュー当時はどんな生活でしたか。

デビューは15歳の高校1年でした。当時は忙し過ぎて、学業と仕事の両立が難しく、学校に行けなくてすぐに編入したり、単位が足りなかったりして、両親には心配をかけてしまいました。歌やダンスのレッスンが朝10時から夜9時くらいまで続くので、レッスンが大変でした。学校の友達とはそんなに長く一緒にいることはできなかったですが、その分、AKBの仲間と一緒に過ごした時間は凄く充実していて楽しかったです。
 

十代のうちから社会に揉まれて、貴重な経験をされましたね。

大人社会では大勢の人たちとの関わりがちょっと面倒臭く思ってしまうこともあるかもしれませんが、高校生のうちから沢山の大人たちに囲まれながら育ったおかげで、人付き合いで大変だと思ったことがなかったです。それに、何よりもひとつのことに向かって意識を高めて一緒に頑張れるAKBの仲間がいたことは幸せでした。
 

女優としての初舞台はいつですか?

AKB48の内部でやった舞台は19歳でしたが、宮澤佐江として一人で出演させていただいたのは2013年、岸谷五朗さんと寺脇康文さんが主催する「地球ゴージャス」の『クザリアーナの翼』という作品で、コルリという役をいただきました。
 

AKB48に所属していても外部の舞台に出演できたのですね。

その時は中国のグループ(SNH48)に所属していて、日本での活動ができていない期間だったので、たまたまスケジュールの調整ができて出演させていただくことができました。もしその時にAKB48に在籍していたら、歌番組や週末の握手会など決まったスケジュールがあって出演はできなかったと思いますので、素敵なご縁をいただけて嬉しかったです。岸谷さんと寺脇さんはいつも背中を押してくださる、私の大切な恩人です。

 

来年202141日にデビュー15周年を迎えられますが、特別なご予定はありますか?

今はまだ何も考えていないですね。ずっとグループでの活動をしてきて、一人になって4年になりますが、色々なことの違いに刺激を受けながら活動させていただいています。15年の中で途中一年間お休みさせていただいたのですが、エンタメの世界から少し離れて今後の自分の進むべき道を模索するという意味では、その時間も有意義に過ごせた貴重な時間でしたね。
 

充電期間を経て、エンタメ界に復帰するきっかけは何かあったのですか?

その頃に、私の兄が結婚式を挙げまして、兄が家族みんなにメッセージを書いてくれたのですが、私には「また佐江の活躍している姿がみたいな」とメッセージをくれたんです。今まで一緒に生活していた家族がそんなふうに思ってくれていたなんて全然知らなかったので、兄の本当の気持ちを聞いて、家族のためにも、またキラキラした自分になれるよう闘ってみようかな、と思ったのがきっかけです。
 

その “闘いたい” というのはキーワードですね!

簡単には生き残れない世界なので…“闘い”ですね!(笑)
 

ご家族の皆さんとの絆を感じるお話ですね。

そうですね、家族みんなが仲良しで大好きなんです。母とは今でも原宿に一緒にショッピングに行ったりしています。

 

2月〜3月には、不朽の名作ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』でアニータを演じられてみていかがでしたか。

アニータは大変な役で難しかったですね。この作品に出演が決まるちょっと前に、初めて映画を観たのですけど、その瞬間に「あ!私この役を演じてみたい!!」と思ったのがアニータでした。なので、その役をすぐにチャレンジさせて貰えたことがとても嬉しかったですし、やり甲斐がありました。
 

時代の流れと共に配役も斬新で、進化するダンスも素晴らしいですね。

日本ならではの配役と演出だと思います。初めてミュージカルに出演する俳優さんもいて、新たなことにチャレンジさせてもらう私たちに光を当ててくれて、日本にいて良かったと思いました(笑)
 

ミュージカルや舞台は体力作りが大変ですよね。

そうなんです。私自身、筋トレなどがあまり得意じゃないので、普段は腹筋もしてないんですよ(笑)
 

今後、演じてみたいミュージカル作品はありますか。

今までは内に秘めるような役が多かったので、ありのままの自分を出せる、Happyな笑顔で終われるような作品にチャレンジしてみたいですね。

 

 

歌の世界では、好きなアーティストは?

中学生の頃からaikoさんが大好きで、歌詞や曲はもちろん、ルックスやファッションでもご自分のスタイルを持っていらして、カッコよくて、私が音楽に興味を持ち始めた頃からずっと大好きです。
 

aikoさんにお会いになったことは?

あります!私が大ファンなこともご存知です!! でも、こんなにaikoさんのことが好きだっていうことはきっと伝わっていないかもです(笑)
 

普段よく口ずさむ歌はどなたの楽曲が多いでしょうか。

やっぱりaikoさんですね。他にはofficial髭男dismさんやback numberさんも大好きです。歌詞が複雑じゃなくて、ストレートに書いてある歌の方が、心にも耳にもスーと入ってくるので好きです。
 

宮澤さんにとって“究極のLOVE SONG”を1つ挙げるとしたら。

恋をした時に聴く音楽はHYさんの『Song For』です。泣けちゃいますね。清水翔太さんの曲も大好きで、恋愛していた時にはずっと聴いていました。いまは過去形ですが(笑)
 

恋愛に関しては、ロマンチスト派?それともリアリスト派?

すごく理想の高いロマンチスト派です!(笑)サプライズとかして欲しいです(笑)格好いいより、可愛い人が好きです。年下は好きですが、結婚するとしたら年上がいいですね(笑)
 

結婚願望はいかがですか?

あまりないんです。お仕事ではウエディングドレスを着させていただいたことがあるので、もうそれでいいかなーなんて(笑)。でも子供は欲しいですね(笑)

 

宮澤さんのファンは男性だけでなく、女性も多いそうですね。

AKB時代から女性ファンが圧倒的に多くて、今もそうです。同性からも応援していただけるのはとても嬉しいです!
 

ファンをとても大切にされる宮澤さんは握手会で聴覚障害のあるファンの方とは手話でやりとりをするとお聞きしました。 

彼ら、彼女らに少しでも寄り添うことができて、理解できたらいいなという思いで勉強しました。私が手話ができるということをファンの方が広めてくれたらしくて、聴覚障害のあるファンの方が多く来てくださるようになりました。
 

今回のコンサートで共演するアーティストさんとは初共演ですが、今のお気持ちはいかがでしょうか。

ミュージカルのように長い時間をかけてご一緒することのないアーティストの皆さんと1日限りでステージを作ることは私にとって初めての経験ですし、普段の活動の中では共演できないような歌手の方ばかりで緊張してしまいそうですが、今からとても楽しみです。
 
 

それでは最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

共演するアーティストの皆さんからも刺激を受けながら、今の自分が出せる力を精一杯お見せできればと思っています。ファンの皆さんには、そんな宮澤佐江の“挑戦する姿”を暖かく見守っていただけたら嬉しいです(^^)
 

 

宮澤佐江ちゃんの舞台を初めて拝見したのはAKB48を卒業された翌年、2016年8月に初演されたミュージカル『王家の紋章』(帝国劇場)のキャロル役でした。その演技ぶりはミュージカル女優としてとても新人とは思えない華やかなオーラを放ち、この作品を経て、ミュージカル界の逸材が誕生したとの率直な思いが湧いてきたのを覚えています。翌年には『ピーターパン』のタイガー・リリー役も見事に演じきり、ミュージカルの3大要素を演技、歌、ダンスとしてあげるなら、佐江ちゃんの歌声は、幼い頃からのキャリアで磨かれ、育まれてきた実力そのものではないかと思います。内に秘めた強さと原動力を武器にこれからも新たなチャレンジをし続けて、大人の女優として開花させていかれることを期待しています。今回、佐江ちゃんの歌うLOVE SONGは等身大の女の子の気持ちをストレートに表したとても爽やかな曲をセレクトしてくださいました。ぜひこのステージでしか見ることのできない新たな魅力を披露してくれる佐江ちゃんに会いにきてくださいネ♡ 


インタビュアー:佐藤美枝子 
カメラマン:Ami Hirabayashi
ヘアメイク:渡部圭依子
衣装協力:MIDDLA
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宮澤佐江

1990年8月13日生まれ。2006年、AKB48メンバーとしてデビュー後、選抜メンバーとして活躍。2016年にAKB48グループとしての活動を終了後、女優業を中心に多方面で精力的に活動を続けている。主な出演作は、ミュージカル「王家の紋章」(2016年、再演2017年)、地球ゴージャス「ZEROTOPIA」(2018年)、ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2(2020年)など。2020年夏、ブロードウェイ・ミュージカル「ピーター・パン」にタイガー・リリー役として出演予定。
 

 ※本公演は、新型コロナウイルスの感染拡大状況に伴う、国や自治体から発布される制限事項に従って開催いたします。最新情報は当ホームページにてご確認くださいますようお願いいたします。