特集

インタビュー Vol.50
一世を風靡したスーパー・アイドルが時を重ねてアーティストへの輝きを!
荻野目洋子

●先日の東名阪ツアーファイナル、お疲れ様でした。午前は長島茂雄記念岩名球場での国歌独唱に続き、最終日の「YOKO OGINOME LIVE TOUR 2017 〜 Like a wind 〜」@NEW PIER HALLのライブでは、丸一日、緊張の連続だったのではないでしょうか。

楽しかったですね。あっという間に終わってしまって、私のブログのファンからのコメントを読みながら、(ファンも私も)それぞれの自分の生活に戻っているんだなって、気持ちを共有しています。次は自分の楽曲制作などに取り組んでいければいいなと思っています。

●東京、名古屋、大阪では、盛り上がり方や雰囲気の違いってありましたか。

熱心なファンの方は全て来てくれました(笑)。そうですね、東京はホール、名古屋と大阪はライブハウスだったので会場の特色の違いはありましたけど、地域の差はあまりなかったように思います。全部盛上りました!今年はダンサーさんにも出ていただきました。

●曲調はダンサブルな曲が中心ですか?

そうですね。でも、バラードもいれました。毎回どちらも入れたいですね。

●マストな曲はありますよね。

そこは外したくはないんですよね。一人よがりなライブにはしたくないんです。子育てで少し休んでいた時期を経て、色々と考えていたことがありまして、今の荻野目洋子がこういう存在だったら楽しめるのかなとか、同じような同世代の方が楽しんでくれるのではないかな、とか考えると楽しいですね。

●セットリストは?

自分で考えています。MCはその場のノリで(笑)。言葉を決めちゃうとそれができなかったときに悔しくて…。なので、MCは全部がアドリブですね。いろんなことを受け止めてくれるお客さんがいてくれるので自由にできるというのもありますね。 セットリストを考えるときは一人でスタジオに入って決めています。公開スタジオでやっている、という気持ちでやっています。

●緊張されるほうですか?

30周年の時は凄く緊張しましたね。ブランクを空けた後だったので体力的に大丈夫かなって。ふたを開けたら何もできなかったらどうしようって。でも、それをこなせたときに自分の自信になって、待ってくれるお客さんがいるんだと思うと楽しんでもらおうって思えましたね。興奮はしますけど変な緊張感はないです。

●先日のライブでもアコースティックギターやエレキギター、初のウクレレでの弾き語りまでご披露して下さって、ビックリしましたが、常にファンを驚かせ、新たなことに挑戦するという、パワーの源はなんでしょう?

徐々に培ったもので、ウクレレはここ数年触っていなかったのですよ。娘たちが小さいときにハマってレパートが増えて、幼稚園の余興とかでやったりして楽しんでいました。今回、夏のイメージにあうなと思って久しぶりにやってみました。弾き語りにハマっていて、更に歌うことの楽しさがでてきて。昔は高い声や外国人のような太い声をだそうとしたり。でもそれは違うなって思えて。CDのような歌を楽しみにしているのでしょうけど、もっと楽しめるような内容にしないとと思っています。旦那(プロ・テニス・プレイヤー)はロックなどが好きで、海外でホール・アンド・オーツに会ったとか。ライブのハプニングで色んなことがあって、それが凄く楽しんでたって。それがアーティストってだって、旦那が言っていましたね。シンディー・ローパーが空港で遅延で苛立つお客さんの前でアカペラを歌ってその場を和ませたというエピソードとか聞くと、自分もそういう存在でいないと本物じゃないなと思えて。そういう気持ちでライブに望んでいますね。

●途中でブランクがあったようにおもえない、ダンスも軽やかでキレの良さがすごいなって思いましたが、普段、筋トレとかもやっているのですか?

筋トレは全くしないですが、家でエクササイズはしています。主婦をしていると子供が風邪ひいたりして決まった時間に外で予定を入れづらいため、体力維持、心肺機能を鍛える意味でビデオのエクササイズを自分の都合の良い時にやっています。

●十代のころからダンスも取り入れたステージをされていますが、ダンスの先生は決まっているのでしょうか。

曲によって違いましたね。いまでも一緒にお仕事をさせていただいるのが三浦亨先生。「ダンシング・ヒーロー」、古くはキャンディーズも振り付けをされていましたね。30周年の時も「ダンシング・ヒーロー」を新たに振付してくださいました。ダンサーの方はリュウ君というのも古くからのお付き合いで20年ぐらい前から。みんな講師をやっていますけど自分がライブをやるというと駆け付けてくださるので嬉しいですね。

●アメリカでもダンスレッスンを受けられてきたのですよね?

私が行ったときはヒット曲が出てからだったのですけど、Show Biz界のトップというアメリカという地に足を踏み入れれば、歌える子や踊れる子がたくさんいたので、自分なんてちっぽけだなと思いましたけど、突き落とされる経験しましたけど、逆にそれが良かったと思う。おごらない自分というのも再確認して、まだまだなって思いましたね。スタッフがたまたま間違えて、バレエのミハエル・バリシニコフさん(バレエ界の世界的スター)のレッスンの予約をしてしまって、初心者のレッスンのつもりが、いきなり上級者のレッスンに入っちゃって(笑)。「えー!」ってなって、本当に帰りたくなったけど、はじまっちゃったし、何にもできないから、後をついていくだけ。そこにバリシニコフさんがいるわけですよ(笑)。でもレッスンの内容が、凄く基礎的なことをやっていて。上級者の方もみんな基礎を大事にされているんだなって目の当たりにしました。本当に素晴らしいなと思いましたね。これを日本で観ることができるかと思ったら、なかなか観られないだろうし、貴重な体験でしたね。

●芸能界に入られたのは早かったですよね?

そうですね、初めてテレビに出たのは9歳。レコード・レビューは10歳。

●「ミルク」という3人のユニットですよね?

10歳でデビューした時は番組のマスコット・ガール的な存在だったのですけど、その1年後ぐらいに今の事務所の社長が引き取ってくださって、本格的なレビューに向けてレコードを作り直してデビューしました。音楽番組も沢山ださせていただきました。その後、中学で学業に専念したいと言ったためにグループは解散することになってしまって…。

●「ダンシング・ヒーロー」や「六本木純情派」など沢山のヒット曲でレコード大賞の金賞を4年連続で受賞されたり、一世を風靡したスーパー・アイドルですが、色々大変なことがあったと思います。ずっとやってきたというのはすごいことですね。

私は(結婚、出産、育児などがあって)ずっとやってきたというのはないのですけど。でも色々あった中で、今の環境があるっていうことに感謝したいと思っています。

●全ての環境が整っていないと仕事ができないでしょうし…。

そうですね、今の私は、家庭というのがベーシックなライフ・スタイルとしての土台があって、そこで家族が応援してくれるから仕事ができるというそういう体制になっているので。昔と環境が全然違うのですよね。その中でデビューから同じ事務所で同じレコード会社(ビクター)にお世話になっていて、環境が変わった自分が変わらない人たちに支えられていてやっていけているというのがありますね。

●同じ関係を保っていくのって凄く難しいですよね。荻野目さんに対して愛に溢れていますね。

時代と共に終わってしまう人間関係もあるでしょうし、こうやってずっと同じスタッフでやっていけるのはとてもありがたいです。

●「ダンシング・ヒーロー 〜 Live at 武道館 1989〜」で日本武道館公演も大成功を収め、その時はどんな感じでしたか?

二十歳のときでしたけど、凄いプレッシャーでした。これまでの仕事の中でトップにはいるくらいプレッシャーでした。できることならもう一度やりたい(笑)。でも、がむしゃらにやってできてしまったというのも、これはこれで一つの作品なんだと思うようになりました。100パーセント満足はできなかったけども、そういうことなのかな人生とは、と思います。

●武道館はロックの方だと憧れの聖地ですよね。

中学生の時に初めて日本武道館に行ったときは、ビリー・ジョエルでした。古くはビートルズとかですよね。自分が影響を受けたアーティストが出ているステージなんだと思えば思うほど、自分にプレッシャーがかかりましたね。荷が重かったですけど。でもそういう一つ一つの経験が自分を成長させてくれる、と感じました。私は洋楽のスタートは、ビートルズだったのですけど今回ジャズを歌わせていただくわけですが、ビートルズのアルバムにもある、ジュリー・ロンドンのカバー、「ア・テイスト・オブ・ハニー」とか、そういうときから私はジャズを聴き始めたのかなと思ったのですよね。まずはそういう大堂のロックだったりポップスだったりでしたが、ビートルズが色々なカバーをしていたから、自分もいろいろな曲を聴けていたのかなって思います。

●16年後は50周年です(笑)。

先のことはほんとわからないですけど(笑)。

●荻野目さんというとダンサブルな曲でマドンナやマイケル・ジャクソンとかのイメージがありますけど。

そういうイメージがあると思いますよね。たしかに大ヒットした曲があって、そういう曲をメドレーにして歌ったりしたこともしましたけど、自分自身が一番影響を受けたというのは、ビートルズだったり、一時期はジャズだったりと色々と聴いていました。ナット・キング・コールを聴いたり、そこからナタリー・コールを聴いたり。そういう流れがありますね。エラ・フィッツジェラルドも聴いていましたけど。森口博子ちゃんとも昔からよくエラの話は出ていて。ジャズっていいね。年齢を重ねていってああいうのを歌えるといいね。と今回初めて一緒に同じフェスでジャズを歌えるというのでとても感慨深いですし楽しみです。博子ちゃんはジャズのライブハウスも頑張っている。お互い褒めあってます。プライベートでもたまに長電話して、仕事の話をしたりしますね。芸能界の友達って仕事の話はしづらいけど、博子ちゃんは高校生からの同級生なので気兼ねなく話せる。博子ちゃんは凄い仕事人間!仕事大好きって感じですね。

●昨年、森口博子ちゃん主演の舞台「桂由美物語」を拝見してビックリしました!素敵な伴侶にも恵まれ、プロテニス選手の辻野隆三さんと15年越しの人前結婚式をされたのですが、私も観劇させていただいて、本物の荻野目ちゃんがお芝居の最後のシーンに純白のウエディングドレス姿で出てくるんですもの、ビックリしました!

翌日のYahoo!ニュースのトップページにも出てましたね!

●堀越学園の同級生でもある森口博子ちゃんは仲良しだと思いますが。他の同期はどなたですか?

菊池桃子さん、そして吉川晃司さんなどですね。

●これから目指している、挑戦してみたいことは何でしょうか?

自分自身を客観的に見ていて。自分が目指しているモノは何なのかなと考えて、歌うことだけではなく、踊ることも含めて、ジャンルもさきほどのビートルズではないですけど、色々とチャレンジしていきたいです。また、最近はフェスが多いので、野外にも飛び出していろんなイベントにも参加してみたいです。

●先日も日比谷野音に出られたコンサートの模様がテレビのワイドショーに出ていました。

これからもいろんな人と会って刺激を受けたいですね。色々なコラボもやって成長したい。かなり昔ですがシャーリー・マクレーンのステージを観たことがあるのですけど、おそらく40代ぐらいだと思うのですが、レオタードの恰好をしてとてもパワフルでチャーミングだったのです。映画だけでみたら、演技派の女優さんって感じでしたが、一流の女優さんって一つのショーとして楽しませることができるんだなって思いましたね。私もいろんなことを勉強して一つのショーとして魅せられるようになりたいです。

●2人のバレリーナの栄光と挫折を描いた、映画「愛と喝采の日々」に出ていましたけど、シワが出てもそれがとても味があって美しいなって。年をとればシワができるのは当たりまえだけど、それでも輝きを増していたように思います。

最低限のことは気を付けようとおもいますけど、いまでもロンドンやニューヨークへ行ったときはブロードウェイを観ますね。私たち演者や歌い手はステージに立った時に輝いていないとならない。如何にしてそのようなそのようなステージに観客を誘えるかと考えています。美容関係は二の次(笑)。

●健康管理ではショウガ漬けを作っているとか。

健康は気にしています!ヘルシー志向。それは長年かわらないですね。身体を動かすことも好きです。

●次回も東名阪のツアー(ライブ)は?

毎年やっていきたいですね!

●それでは、次はピアノの弾き語りも?

いやいや。それは無理ですよ(笑)。いつも色々なパフォーマンスを魅せてくれる多才な五木ひろしさんは凄い。偉大な大先輩です。

●ライブ会場に来るお客さんも一緒に踊るのを楽しみにしていると思いますよ!

お互い元気で楽しめたらいいですよね(笑)。

●8月にはジャズ・フェス初参加(今年で49年目の日本最古のジャズ・フェス「サマージャズ」)ということで、全国から駆けつけてくれるジャズ・ファンや荻野目ちゃんファンにメッセージをお願いします。

ジャズってアドリブ演奏じゃないですか、ミュージシャンとして歌い手としてそういう場に立たせていただけるのはとても光栄ですし、とても楽しみにしています!

荻野目ちゃん!一目会った瞬間からそうお呼びしたくなるような柔らかな物腰と柔和な瞳。デビュー後、一気にスターダムにのし上がり、今年で歌手生活34年。先日のソロ・コンサートではダンスあり、ギターやウクレレの弾き語りありのライブの芸の幅が奥深く、常にファンを驚かせてくれます。
私生活では、プロテニス選手の辻野隆三さんという素晴らしい伴侶に巡り会い、可愛い3人のお子さんにも恵まれ、少しだけお仕事のインターバルを挟み、その間に育んでこられたものを昇華するかのように、再び芸能界に舞う、そのパワーと生命力には脱帽です!中学時代、卓球で県大会まで出場された実績を持つその瞬発力はキレの良いダンスにも生かされ、長年一緒に歩んできたファンにとっては堪らない嬉しさですね。凡人はその中の一つでも成し得ることができないのに、そんな荻野目ちゃん、今回ジャズ・フェス初出演です。荻野目ちゃんのhappyとsmileを夏の終わりの爽やかな風とともにOGINOME chan JAZZをおとどけします、是非お楽しみに!!

インタビュアー:佐藤美枝子
カメラマン:平賀正明

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