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インタビュー Vol.36
俳優、歌手としていつも全力投球!真摯に向き合う精神力の強さ
高橋和也

●舞台「オーファンズ」が終わったばかりでお疲れのところ、本日は有難うございます。「オーファンズ」を終えてどうでしたか?

お蔭さまでとても評判が良かったです。有難いことです。

●今日は「カントリーのSP盤を聴く会(仮称)」の合間にお時間を作っていただいたわけですが、これはどのような会なのでしょう?

カントリーミュージックがお好きな方が集ってハンク・ウィリアムスのSPレコードを90年前の蓄音機で聴くという会です。日程もメンバーも決まっているわけではないのですが。

●先日の「徹子の部屋」も拝見させていただきました。

有難うございます。

●声優、俳優、歌もおやりになって、多才で好奇心が多いという印象ですが芸能界に入るきっかけは?

1984年、15歳の時にジャニーズのオーディションを受けた事がきっかけです。

●最初はジュニアに入っていました?

そういう時代もありました。

●1988年に男闘呼組でデビューされて、「DAYBREAK」で第30回日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞その翌年には5万5千人の東京ドームでコンサートを行ったという超スーパーアイドルにのし上がるまで、そう時間はかからなかったのではないでしょうか?

いやいきなりではなかったです。レコードデビューするまで4年くらかかりました。コンサートをはじめテレビやラジオに出演したり、色々と地道に活動していた時期はありました。

●日本武道館では?

レコード・デビューする前に出ています。当時、少年御三家といって、光GENJI、男闘呼組、少年忍者の3組で、正月公演やりました。1日に5回公演でした。

●いきなりスーパーアイドルですね。

15歳でドラマ・デビューし、その年に男闘呼組が結成され、19歳の時にレコード・デビューしました。あの当時はビデオも盛んで、レコード・デビューする前にビデオも発表していました。

●それにしても色々と活動の規模が違いますね。スケールが大きい。

ジャニーズ事務所のおかげです。レコード・デビューする前に映画の主演もさせていただきました。

●その時のご自分をいま振り返ってみて、どんなだったでしょうか?寝る時間もないほど忙しかったでしょうー?

アイドル時代の9年間はとても忙しかったのですが、仲間と過ごした青春時代でとてもなつかしく思います。今は感謝の気持しかありません。退社してからはハリウッドへ勉強のために行きました。演技とソングライティングの勉強のためです。

●その時、結婚はされていました?

アメリカへ行った時は24歳で、妻とは交際中でしたが、結婚はまだしていませんでした。1年間は向こうで勉強して、素晴らしい俳優や監督にもお会いし、とても有意義な時間でした。

●武者修行という感じでしょうか?

ロバート・アラン・アッカーマンという素晴らしい演出家の方がいらして、その方が男闘呼組の最後の舞台「スラブ・ボーイズ」の演出家で、「ハリウッドで勉強した方がいい」と助言を下さり、渡米しました。

●その間、どうやってアメリカで生活されたのですか?

無収入でしたが、それまでの蓄えがありましたから。

●20歳にしてご自身で家を買ったりして地に足がついた生き方をされた感じですね。

15歳で芸能界に入りましたので、父が良きアドバイザーでした。

●小さいころから音楽がある環境でお育ちになられたのですか?お父様がライブハウスをやられていたとか?

父は新宿三丁目で「マローネ」というバーを経営しています。

●音楽はご両親が影響?ロックからですか?

当時はロックがとても流行っていましたが、父はずっとカントリーミュージックを店でかけていました。それで自然にカントリーミュージックに親しんでいました。

●ザ・ローリング・ストーンズの熱狂的ファンでもいらっしゃるとか。

ローリング・ストーンズは中学一年生の頃から聴いていました。「スティル・ライフ」というライブ盤でした。80年代は洋楽全盛でマイケル・ジャクソンが人気で、MTVがお手本でした。

●マイケル・ジャクソンの影響は?

ジャニーズに入った頃はマイケルの曲でダンス・レッスンをしていました。キング・オブ・ポップと言われる、あの人以上の人は今でも出ていないと思います。

●アメリカから帰ってきて初めてのライブは?

すべて自分のオリジナル曲で自分のバンドでライブをやりました。その時、現在の所属事務所「アルファ・エージェンシー」の社長、万代氏が観に来て下さり、私がお願いして所属させていただきました。

●たくさんのお仕事のオファーがあると思いますが、何に一番比重をおいていらっしゃいますか?

勿論俳優です。

●その俳優さんでも色々な役があると思いますが、自分が選ぶものと選ばないのもがあるかと思いますが

選ぶという立場ではないので、オファーをいただいた時にスケジュールが空いていればどんな役でもやらせていただきます。

●すごいプロ根性ですね。

いいえ普通だと思います。

●奥さんはご理解くださっているのですね?

はい、妻は良く理解してくれます。

●6人もお子さんがいらっしゃるそうですが、家庭がうまくいく秘訣ってなんですか?高橋さん家みたいにこんなアットホームな家庭があるとイジメや犯罪も起こらないのにと思うのですが…。

ごく普通の家庭だと思います。何も特別な事はありません。問題の無い家庭などないと思います。でも問題が起こった時、誠実に向き合うしかないと思います。

●本当に信頼関係というか絆があるのだと思いますが。家に帰っても親子とのコミュニケーションが薄くなってきているから、「徹子の部屋」で映った高橋さんの家族のお写真を観てとても癒されました。お仕事でスランプにぶち当たったときはどのように乗り越えました?

どんな作品でもプロデューサー、ディレクター、俳優、スタッフが集まって、みんなでゼロから作ります。新しいプロジェクトを一緒にやっていく上で成功する保証は何もないから努力しかありません。テレビなら2週間、舞台なら2ヶ月、時間との勝負でみんなプレッシャーを受けながら一緒に作り上げるしかありません。常にそういう状況なのでスランプを感じている余裕がないです。

●強いですね。

常に不安定で安心したこともないです。

●役のことなどのお仕事のことで奥さんに相談したりしますか?

相談というより普通にあった事を話したりはします。妻は聞いているだけですが、時々ハッとするような助言をくれたりします。

●色々な出会いがあるこの芸能界ですけど、一番印象に残っている演出家はどなたですか?

先日の舞台「オーファンズ」を演出された宮田慶子さんは厳しい方ですが、愛情のある方です。新国立劇場の芸術監督もなさっています。「オーファンズ」は孤児たちの話なので、孤児の心理に迫るために3人の俳優に徹底的に孤独を理解させます。毎日、演技のチェックが入り、それが千秋楽まで続きます。要求はレベルが高く、過酷でしたが、お客様には登場人物の心情が鋭く伝わっていきます。俳優が流す本物の涙を見て、お客様は納得して下さるのだと改めて思い知りました。

●エンターテイメントがお好きなんですね。

そうだと思います。そして厳しい世界だと思います。情熱だけでは通らない世界です。どんな演出家、作品、役にめぐり会えるかが重要だと思います。

●ご自分の長所と短所はどのようなところでしょうか?

自分というのは厄介なものです。感情の起伏が激しいですし、意地の悪いところもあります。ただ俳優をする時にはそれが役に立っているのかもしれません。喜怒哀楽の表現に。人間は多面的ですよね。

●十代のころから強い意志のものとでやってこられて、今はある意味お仕事も舞台、TVドラマ、映画など幅広いジャンルからオファーがあり、最高の時間ですよね。

自分で今が最高なんて言えないです。

●尊敬する俳優さんは?

沢山いますが、いくら好きな先輩や憧れている先輩でも、その人の様にはなれません。ハンク・ウィリアムスに関しては、彼の残した芸術を僕自身が表現する側に立ちたいです。彼の歌唱法、表現力を現代に伝えたい。そういう想いで歌っています。


2014年9月開催「高橋和也のハンク・ウイリアムス物語」@新宿文化センター小ホール
(左:石田美也 右:高橋和也)

●もしお子さんが芸能界に入りたいといってきたら?ジャニーズに入りたいと言ってきたら…、どうなさいますか?

それは子供達それぞれが選ぶ道で、私自身は協力はしません。自分で切り開くしかないと思います。

●しっかりと地に足をつけて一歩一歩進んでいるのが伝わってきます。ご家族みんなが楽器をやると高橋スペシャルバンドができちゃいますね!

うちはそういう家庭ではありません(笑)。

●成人を終えられたご長男の耕太郎さんとは、ご一緒にお酒を酌み交わしたりされるのですか?

長男は先日の「オーファンズ」の兵庫公演を観に来てくれました。長女は交際している人と観に来てくれました。

●本当に素敵な生きざまを見せていただきました。真似できないです。一人育てるのに大変なのに、六人も誠実に育てるって大変ですよね。

妻が良くしてくれます。僕は普通です。一年の半分は家を空けています。妻がしっかりやってくれているおかげです。子供と遊ぶ時間が欲しいですが、休みが合いません。

●一日のなかでいちばん幸せを感じる瞬間ってどんな時ですか?

朝起きてコーヒーを飲む時です。

●今後のご予定は?

5月明治座「御宿かわせみ」、7月こまつ座「紙屋町さくらホテル」、そして、大河ドラマ「真田丸」にも出演致します。宇喜多秀家という役です。それと「太陽」という映画が4月23日から角川シネマ新宿ほか全国ロードショーされます。入江悠監督のSF映画です。

●今回、高橋さんを初めて見に来られるお客様もいらっしゃると思います。ミュージシャン高橋和也さん、これから「ジ・オープリー」ご出演の意気込みをお願いします。

ハンクを歌うようになってから70代、80代の先輩方と沢山出会う事が出来ました。もしハンクを歌っていなかったら出会えなかった方ばかりです。改めてハンクの偉大さを思い知ります。「古き良きカントリーミュージックの灯」をずっとともし続けていきたい、そんな想いで今回も先輩方と一緒に頑張ります。どうぞ宜しくお願い致します。

大きな瞳で真っ正面から見つめ、ひとつひとつの質問をじっくりと考え丁寧にこたえてくださり、俳優、声優、歌手、ギタリストと多彩に活躍する高橋和也さん。沢山の芸の引き出しをお持ちですが、「僕は俳優です」と即答されました。元ジャニーズの肩書きから、いまや実力派俳優として舞台や大河ドラマなど、引く手あまた。10代~20代で一生分ほどの経験を積み、いま選ばれたひとだけがスポットライトを浴びる位置にさりげなく、そして強烈な存在感を放ちながらその役を追求するひと。それが高橋和也さんではないでしょうか。ミュージシャンとしても大活躍!「ジ・オープリー」では甘く伸びの良い歌声をご披露くださいます!ぜひご期待ください。

インタビュアー:佐藤美枝子

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