特集

インタビュー Vol.33
宝塚歌劇の魅力を世界に発信するスター
鳴海じゅん

●まずは、先日のミラノでのお仕事お疲れさまでした。お帰りになられて何日目ですか?

2日経ちましたね。

●今回ミラノに行くことになったきっかけは?

今年の5月に「大阪の陣400年プロジェクト」という記念イベントがありまして、そのイベントのひとつとして、真田幸村を主役にしたミュージカルの舞台「大阪城パラディオン」があり出演させていただきました。このご縁があって、そこから大阪とミラノを結ぶ姉妹都市の交流親善大使に任命していただき、大阪の文化や歌劇の文化をミラノへ、ということで様々な交流活動に参加させていただくことに。元OSK日本歌劇団のトップスター桜花昇ぼるさん、沙月梨乃さん、そして私が宝塚を代表して3人で行かせていただきました。

●普段もご一緒にされているのですか?

いいえ、いつもは個々に活動をしています。ミラノ万博に向けて結成されたユニットです。今回、ミラノまでの長旅をご一緒させて頂いて親密になれましたし、絆も深まってとても楽しかったです。

●ミラノでの本番は何回?

1日2回公演でした。初日の幕開けのイベントに出させていただきました。

●その他の催しはどのようなものがありました?

食の万博というのが今回のミラノ万博(2015年ミラノ国際博覧会)のコンセプトになっていた 大阪の食文化ということで、かつお出汁のメーカーさん、回転ずしのメーカーさんなどの実演がありました。その他、大阪を中心に活動しているアイドルグループのパフォーマンスなどがありました。

●ご出演されていかがでしたか?

そうですね、まず大阪城を舞台にした大阪の陣の歴史っていうのは、ミラノの方はまずご存知ではないと思いますので、歴史を伝えながら、歌劇仕立てにしましたが、とても反応が良かったです。世界中から沢山の人が来られていましたが、日本語で演じてイタリア語のテロップを出してもらいました。日本の歌劇の文化、大阪の街の文化というのもテロップで説明していましたね。本番を迎えるまで会場というのはパビリオンを行き交う人達の前でやると思っていましたが、実際は椅子に座って食い入るように観てくださった。ラストはブラボーと言ってくださって。。。私達が大阪とミラノの文化交流の架け橋になれたらなという強く願っていた中、この魅力を世界へ発信できたかなと思って、なんだか感激しました。

●素晴らしい経験でしたね。

そうですね。こういう事って機会がないと経験できませんので。この任命式を大阪市役所で行って下さいました。その任命式の日の午前に橋下市長が離党と大きく報道されたので、「今日はお会いできるのかな」と思ったのですけど、橋下市長に任命式を行っていただきました。ミラノへ行った時も、ミラノ市長にお会いできまして、ほんとに温かく迎えてくださいました。歌劇を楽しみにしていますとおっしゃって下さいました。政治的なことではなくて身近な部分で架け橋になられたらと思っていましたので、沢山の良い経験をさせていただきましたね。

●ミラノでは何か出逢いはありましたか?

すごく嬉しかったのが、現地の宝塚ファンが食い入るように観てくださったことですね。とても上手な日本語で「ファンなので写真撮ってください」って。びっくりしましたよ。ミラノにまで宝塚のファンがいたんだって。感激しました。

●何泊何日の旅だったのですか?

結局現地にいたのは3日間です。ドバイ経由の移動だったので片道で2日もかかりました。

●ブログを拝見しましたが、美味しい料理をたくさん召し上がって来たみたいですね。

そうですね!それに街自体が芸術。アーティスティック。ミラノ大聖堂やガレリアへも行きました。街を歩いている人の普段着もすごくおしゃれ。さりげなさが素敵ですね。太陽の陽を燦燦と浴びている感じの生き生きとしている表情も好きです。今回、世界中の人達が集まっていた時だったので、凄くインターナショナルな街になっていましたよ。凄い人でした。

●鳴海さんもイタリア人みたいですよ!(笑)そのメッシュも素敵です。

今回、日本人らしく黒髪にしました(笑)。今日は自分でメイクしてます!

●本当ですか!プロフェッショナルですね!宝塚の世界はおつきあいがあまりないので異次元の世界。鳴海さんをみていると「ザ・宝塚」って感じがします。元宝塚の方をみていると、やはり宝塚のイメージが強いのですよね。いまは女優さんでいらっしゃいますけど、こういう活動している中でそう思われるのは嫌ですか?

今の自分が宝塚OGとしての活動というのを一番のポイントに置いているというか、それを魅力としていられるうちは、続けていきたいと思っていますね。あえてそれを個性と思って活かしていきたいです。

●やっぱり男役を意識していますか?

いや、自然体をだしていければと思っています。とはいえ男役をやっても「かっこいいね」と言ってもらえると嬉しいですし。どんどん進化していきたいと思っています。

●先日、元宝塚の彩吹真央さんにお会いした時、「舞台が私の居場所」とおっしゃっていました。

凄いですね!ゆみこ(愛称)は80期生の同期でして、一緒に切磋琢磨してきた仲なので、よきライバルであり、信頼のおける方ですね。頼りになるいい仲間です。

●先日トークショーを一緒になされていましたよね。

そうですね!「たまにはご飯行こうよ」という話になりますが、お互い忙しくてなかなか行けない。。。

●一緒にご飯を食べに行った時は、舞台の話などします?

そうですね。意外とまじめな話をしていますよ。お互い率直に言い合ったり、励ましあったり、深いプライベートの話をしたり。。。私はご縁を大事にしたいというのがありますね。その時には気付いていないことがあると思いますけど。感謝の気持ちを大事にしたいと思っています。これもご縁だと思っています。

●活動の拠点は関西なんですよね?

どこを拠点というのではないですね。東京と関西を半分半分って感じです。

●普段いろいろなところでご活躍されていますけど、自宅でも旅先でも朝起きてからのルーティーンってありますか?

特にジンクス的なことはないのですけど自分の中で凄くエネルギーを出すタイプなので、本番が終わると体重が直ぐに減ってしまうのですね。本番まで落ち着くようにしているかもしれませんね。直前は集中を高めるために静かにしています。逆に本番後は興奮が抜ききれないので眠れないです。

●宝塚に入るきっかけは?

小さいときにクラシックバレエを習っていましたが宝塚のことは深く知りませんでした。高校生の時に同級生がバレエの番組のビデオを貸してくれたのですが、その番組の後に「ベルサイユの薔薇」が入っていて、観たら大感激してこの世界に入りたいと思いました。その時、高校3年生で、宝塚音楽学校に入学できるギリギリの段階で、宝塚音楽学校に入らないと宝塚に入れないというのも知って、三者面談の時に初めて告白したんですよ。「私、宝塚音楽学校を受けます」と(笑)。周りは「何を馬鹿なことを言っているんだ!」となりましたね。両親は大反対でした。でも私は、夢の世界かもしれないけど、一生に一度だから、泣いて土下座して両親に頼みまししたら条件付きでOKを貰えたのですが、「希望の大学を受けて合格していれば宝塚音楽学校を受験してもいいよ」と。もう必死に勉強しまして見事大学に合格して、宝塚音楽学校を受験できたわけです。だから私は、大学中退という異例の経歴も持ってます(笑)。普通はどちらかしかありえないことですよね。大学の入学式が宝塚の合格発表の前でしたので、入学式にも出席しましたし、親は入学金を払ってくれました。

●それは凄いことですよね。

切羽詰まった状況のおかげかなと思います。ご両親がハードルを高くしてくれなかったら、大学も宝塚も受かっていなかったかもしれない。今となっては私の良き理解者となってくれている両親に感謝しています。宝塚音楽学校が合格しても「大学も受かっているのだから大学へ行きなさい」と言うと思っていたのですけど、「あなたの好きな道を選びなさい」と言ってくれました。

●ビデオを貸してくださったお友達は、いまは鳴海さんを応援してくださっているのですか?

応援してくれています!同級生もみんな。高校のときに「ベルサイユの薔薇」を観て人生が大きくかわりましたね。

●そのご友人は、誰のファンだったのでしょう?

誰のファンだったのだろう?みんな好きだったみたいですけど。余談ですけど彼女も宝塚を受けていたみたいなんです。卒業式の時に「おめでとう」と言ってくれて、その後「私は叶わなかったけど、夢をあなたに託します」って言ってくれて。。。そのためにも絶対がんばらなきゃって思いました。

●ショービジネスの世界に入らないとわからない事が沢山ありますし、色々と苦労があったと思いますが、運や勘もありますよね。どうせ受からない、と思っていたら受からないと思いますし。

みんな宝塚に入る為のレッスンを積んで頑張っている人が沢山いるのですよね。私は、初挑戦で、しかもきちんとしたレッスンを積んでいないのですが、なぜか絶対誰にも負けないという自信がありました。なんでしょうね(笑)。周りに「受からないよ」と言われると尚更躍起になるというか、頑張るぞと思いましたね。

●休日は何をなさっています?

休みの日はピラティスをやってますね。ストレス解消は美味しいものを食べることですけど、家ではいたって粗食。オクラや納豆などが多いですね。野菜たっぷりのお鍋など食べたり。

●最後に、10月24日「Latin & Jazz Festa」にご出演いただきますが、ファンの方に一言いただけますか?

当日は日比谷公会堂でアロージャズオーケストラのビッグバンドの演奏で歌えるなんて夢のようです。自分にとっては大きな挑戦ですが、鳴海じゅんをご存知ない方達にも楽しんで頂けると嬉しいです。いつもお世話になっているアロージャズの西田社長が舞台に出てきて下さるので、歌ってしゃべって楽しみます(笑)。

インタビュアー:佐藤美枝子
カメラマン :Koji Ota
撮影協力:ラ ジュネス代官山

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