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インタビュー Vol.24
神秘的な魔力という魅力を放つ永遠のトップスター
えまおゆう

●小さい頃は、どのようなお子さんでしたか?

近所の人からは、「お嬢さんが3人いるなかで、あの子だけちょっとお粗末ね」って(笑)。自分に自信がなかったって感じかな...。でも負けず嫌いで運動が好き。友達も多くてしょっちゅう遊びに行ってました。正義感があって、曲がったことが嫌い。大人は嘘つきだからって、大人になりたくないって思ってた。

●お父様もお母様も厳格そうな感じが、まさに華麗なる一族ですね。

いやいや、そんなことないですよ(笑)。

●宝塚とご縁があったわけですよね。

一番上の姉がフォーリーブスの出待ちをして遅くなったことがあり、父にとても怒られて、それをきっかけに、ここなら女性ばかりで安心と宝塚に連れていってもらったらそれにハマちゃって。それから宝塚の方と知り合うようになりました。姉が宝塚に入りたいと言い出したとき、叔父の矢代静一(劇作家で大の宝塚ファン)が、「お姉さんは向いてないけど、一番下の子は何か持ってるから、入れるならあの子だね」と言ったのですよ(笑)。はじめは「じゃあ入ってみるよ」と軽い気持ちだったのですけど、そういう甘い気持ちじゃ続かないだろうと、先に入っていた従妹にも言われました。それでムキになって一生懸命に頑張りました。「できないよ」と言われると「じゃあ、やってやるよ!」というところがありましたね。

●でもお好きじゃなかったらやらないですよね!ダンスや歌やお芝居など全部必要な要素でしょうからお勉強をなさったわけですよね。そういった下地とかはあったのですか?

受ける1年前に日本舞踊や声楽を習い始めました。高校1年生のときです。そして高校2年生で宝塚を受けました。

●それで受かったわけですよね!すごい!三番バッターだったわけですよね!

特に歌がうまかったわけでもく...。試験の時にみんな器械体操をやっていて、私も器械体操を考えていたのだけど同じじゃだめだと思って、ものまねをしたのです。そのときはトシちゃん(田原俊彦さん)のモノマネをして(笑)。

●他人と違うことをパッとつかむわけですね。その場のインスピレーションで。

トシちゃんが好きだったんですよ。テレビを見てマネをよくしていました。テレビを観ながら踊りとかを覚えて翌日学校で踊ったりしてました。「トシちゃんでーす」という喋り方よりも、歌と踊りをマネしていました(笑)。

●えまおゆうさんとお名前を付けたのは叔父の矢代静一さんですよね?

はい、叔父が「絵麻緒」とつけたのですけど、名字か名前のどちらかをつけてくださいと劇団から言われてまして...。で、「え・まお」もしくは「えま・お」にしようと思ったら、それもダメで(笑)。それで、語呂がいい感じで、「ゆう」をつけて「絵麻緒ゆう」になったんです。

●お名前に意味はありますか?

「絵麻緒」はレンブラントの聖画「エマオの旅人」という作品(イエス様の復活して最初に行った土地の名前)からとり、ゆうは、周りに相談しながら自分で付けました。

●そして四年前に改名されたのですよね?

そう、平仮名にしました。漢字を間違える方や読めない方が多かったので。

●男役ってご自分で決められたのですか?

身長が165cm以上あったので娘役というのも...、と思って。今みたいに170cm以上の方が沢山いる時代でもなかったですし。

●入団当時、憧れのスターの方はいらっしゃいましたか?こんな風になりたいなとか、この人かっこいいなとか。

こんな風になれたらいいな、というのでは(大地)真央さん、麻実れいさんはとても素敵な方だと思ってました。

●入団される前に宝塚歌劇団の公演を観に行かれていらっしゃいましたか?

東京公演に来ると、母が連れて行ってくれて観ていましたね。

●出待ち、入り待ちとかしました?

そんな感じの好きではなかったからしていません(笑)。従妹が入っていたし、父の関係で劇団の方とご飯を一緒に食べ行くとか普通にあったので...。子供の頃から宝塚の方が家に遊びにくることもあり、だからキャーキャー言うこともなく、出待ちすることもなかったですね。幼い頃、私が家でお留守番するときに宝塚の江夏淳さんという方が一緒に家に居てくれたりとかありましたから(笑)。

●男役を16年おやりになったわけですが、好きな男性のタイプは?

私、少しファザコンなのかもしれない。あと有言実行の人が好きですね。年齢は特に拘りはないのですけど、年上なのに頼りない感じだと、退いてみてしまいます。男役をしていたから余計厳しい目でみてしまうこともあるのかも?!

●では、逆に嫌なタイプは?

生理的にあわない人は嫌ですね(笑)。いまの職業を続けている限り、太ってる方は厳しいかな~。なんでかというと、太ってる方といると自分が太っていっても気付かなくなる気がして(苦笑)。自分自身緊張感がなくなってしまうかと。この職業でなければ気にしていないかもしれない。あと努力しない人、自慢ばかりして他人の土俵で相撲を取るような人も苦手です。

●それ、この業界は多いかも(笑)。

男は頼りになる人がいいな。私の父は歴史のこととか聞くとなんでも答えてくれた。旦那になる人は頭がいい人がいい。

●pure君とは何年同居しているのですか?

来年で11年です。以前、地方へ行くときはホテルにあずけていましたけど、いまは家族みたいに応援して下さる方が見てくれていますね。

●そういうサポートっていいですね。ファンの方ですか?

元はファンでしたけど、いまとなっては家族のような方です。

●今年は宝塚歌劇100周年yearで特にメディアでまた取り上げられて特別な年だったのではなかったのでしょうか。

凄く良い出会いがあり充実でした。とてもありがたい年だなと。

●印象に残っている仕事は?

100周年のイベントは良かったですね。この歴史って凄いんだって思えて。トップスターだった人しか経験出来ないことを経験出来だし、トップになれてよかったなと思いました。

●最近ではダンスのセミナーで教えていらっしゃいますが、ダンスの面白さってなんでしょうか?

ダンスというか、表現者として踊っているという感じですかね。結果的に、身体維持のためにやっていますね。

●ぶんちゃんの熱烈なるファンからは「エリザベート」のルドルフ役をもう一度観たい!とのお声をお聞きしていますが...。ところで、2015年1月21日に元宝塚歌劇団男役トップスターによるJ-POPカバーアルバム「麗人REIJIN」がリリースされますが、レコーディングはどんな感じだったのでしょうか。

生演奏とのレコーディングだったのです。バンドやプロデューサーの方たちの音のこだわりが半端なく凄かったです。参加させていただくだけでも光栄だなって。

●どのような編成でしたか?

ピアノもサックスもあったし、バイオリンなどのストリングスも入っていました。

●音楽史上初の試みで女性が男性の歌を唄うというコンセプトでしたが、えまおさんはどの楽曲を?

「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」(オリジナル:楠瀬誠志郎・郷ひろみ)です。

●常に心がけていることや、モットーはありますか?

ありがとうを素直に言えることといつも恋をしようと思っていますね(笑)。そうしないと自分を磨けないかなと思いますね。

●最近ご覧になったコンサートとか映画とかありますか?

ディナーショーに行ってきました。舞台とか好きなんですけど、入り込んじゃって自分が演じちゃっているような気分になるから疲れちゃう時があるのです。体力があるときにしか見ることができないかも(笑)。

●まじめなんですね。

適当が嫌いなんです。

●メールもいつも丁寧で、すごく几帳面ですものね!

色々と人に任せたいのだけど...(笑)。

●普段、健康管理で気を付けていることとかはありますか?

食事はきちんと摂ってます。あと、半身浴ですね。

●ご飯はご自分で作られているのですか?

そうですね。近所の友達とかと一緒に食べたりしますね。芸能人のお友達は意外と男性が多いのです。女性は宝塚の後輩や一般人の人が多いかな。友達みんなで持ち寄って一緒に食べたりしますね。

●トップスターというのは芸能界に入って大きな財産だと思いますけど、これまでを振り返ってどう思いますか?

ホントに宝塚時代はがむしゃらに頑張りましたよ。やるべきことをホントにやってきました。

●退団した日、中山ゴンさんとオープンカーからエスコートしてもらった映像も拝見したのですけど、その日って朝までどんちゃん騒ぎでしたか?(笑)

(笑)帝国ホテルに泊まっていたのですけど3時ぐらいまで仲間と飲んでましたね。

●最後はド派手でしたよね、ご自分の最後の幕の綴じ方というのでしょうか。両端でファンの人たちが列を作って並んでいたのは、えまおさん自らの演出だったのですか?

あれはファンの方たちが用意してくれて演出してくださって、私たちは劇団にここを歩いてくださいっていうところを歩きました。

●宝塚を観て感激しないという人はいないと思うんです。

正直!昔のファンは減ってきている。世の中に男らしい男性がいなくなってきてるからかな。だからか?男らしい男役が少なくなっている。男らしくないというのかな、華奢すぎるというのか!?昔は厳しく指導されましたから。

●みんな節制しているからですかね。えまおさんが現役時代は、ダイエットされましたか?

新人公演のときはやりました。本役さんの衣装を入れるために(笑)。でも上級生になってからは、本番はじまると痩せるので。デブだったのは下級生の時!上級生になると忙しくなるのでそこまで太らないのですよ。運動量も半端ないですし(笑)。

●羽をつけますよね。最後にお辞儀しますよね。あれ重たいですよね。えまおさんもやっていたのですよね。

そうですよ。振付ですから(笑)。

●独特の世界ですよね。宝塚って永遠と残ってほしいですよね。

最近伝統的なものが壊れてきてるんじゃないかって思う時があります。あまりにもテレビでの露出が増えすぎちゃってるから仕方ないんだろうなと思いますが...。どんどん時代と共に変わってきているように思いますよね。

●「エンターテイメント」とは、どう考えています?

あんまり理屈で考えていないかも...。役をもらったときに、その役についてだけ考えていますね。

●とてもピュアですよね。あまり頑張っているところを見せないですよね。

やるときに必死でやりますね。

●今度、3/22「ポピュラー・ミュージック・コレクション Vol.3」では、ラテンビッグバンドで唄っていただきますが、宝塚時代では主にどんなジャンルを唄っていましたか?

宝塚時代って、「これがシャンソンです」、「あれがラテンです」と言われて唄っていなかったので、昔はジャンルがわからなかったですね。譜面だけもらって唄っていました。

●いつもありとあらゆるお仕事のスイッチの切替えは?

仕事のスイッチが早いみたいです。本番前でも誰かと電話できる(笑)。

●来世は男か女かどっちがいいですか?

生まれかわりたくない(笑)。短命に憧れていたというのもあります。嘘も方便も嫌。攻めちゃう自分が嫌だと思うし。色んなことでよく自分が壊れちゃうから...。うーん、でももし生まれ変われるとしたら...、pure君を人間にして一緒に生活したい!

●本当にピュアですね。

毎日一生懸命に生きてます。ゲームとか集中すると止まらない。

●いつも楽しくfacebookを拝見しておりますが、本当にいつもhappyで賑やかで人生をエンジョイされている感じが伝わってきます。最後に「あ~私しあわせ~」と感じるときはどんなときでしょうか。

仕事が全て終わってみんなと乾杯したときですかね。疲れて帰ってpure君を抱っこしたときは安らぐと思いますし。

●子供の頃の夢は?

保育士か花嫁さんでした。

●これから花嫁さんはなれますね。束縛されるたりするのは嫌じゃないですか?

好きな人に束縛されるのは嫌いじゃないですね。それに、なんでもオープンです。元カレの話とか嫌がられるよ、とか友達から言われますけど(笑)。ジェームス・ディーンの役のセリフで「君の全てを知りたい」というのがありまして、正にそんな感じですね。

●逆に束縛するタイプですか?

束縛もするし、なんでもしたくなる。全部見せ過ぎるからフラれちゃうんだよって友達から言われますね。

●フラれることもあるのですね!

結構ありますよ(笑)。

宝塚という華やかな世界でどれだけのレッスンを重ねてこられたのか常に努力を惜しまず、完成されたステージで観客を魅了しつづけた16年間。
真摯にいつも真っすぐに生き、そしてこの一瞬も日々高いハードルをご自身に課し挑戦するえまおゆうさんは沢山の「幸運」を持っているかただと思いました。

インタビュアー:佐藤美枝子

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