インタビュー Vol.112
“再生数「1」の向こうへ”
― 音楽で、人と人を繋いでいくKAZとRIOSKEの航海 ―
ペルピンズ
TikTokやYouTubeをきっかけに、多くの人々へ歌声を届けてきたペルピンズ。
総フォロワー数は150万人を超え、動画の累計再生回数は10億回を超えるなど、今やSNS時代を代表するボーカルユニットのひとつとなった。しかし、今回のインタビューで見えてきたのは、“数字”の先にいる一人ひとりと真剣に向き合いながら、音楽で人と人を繋いでいこうとする二人の姿だった。
13年間支え合いながら歩んできたKAZとRIOSKE。その航海は、時に虹を追い、時に寄り道をしながらも、決して迷うことなく進み続けている。
「THE UNITY – SUPER VOICES」出演を前に、二人が語った“感情の交換”と、“リアル”で届けたい音楽への想いとは――。
── まず、ペルピンズさんが “どんなユニット” なのか教えてください。
KAZ:
僕たちは二人組の音楽ユニットです。それぞれ元々アーティスト活動をしていたのですが、コロナ禍の2021年に「ペルピンズ」を結成しました。
TikTokやYouTubeでカバー動画を投稿し始めたことをきっかけに、多くの方に見ていただけるようになり、最近では “TikToker” や “YouTuber” と呼んでいただくことも増えました。
ただ、僕たちとしては、SNSでの活動だけではなく、ライブを中心とした“アーティスト活動”も大切にしています。
TikTokやYouTubeではカバー曲、ライブではオリジナル曲を中心に、“歌”を通してたくさんの方に楽しんでいただける活動を続けています。
── お互いの “この人すごいな” と思う瞬間は?
KAZ:出会ってから、もう13年になります。最初に惹かれたのは、リョウちゃんの “日本人離れした圧倒的な歌唱力” でした。
特に、突き抜けるようなリッチな高音には本当に魅了されて、「すごい人だな」と思ったのを今でも覚えています。
そこからリョウちゃんの大ファンになって、一緒にユニットを組ませてもらい、ペルピンズを結成して今年で5年になりますが、今でもその気持ちは変わっていません。
ずっと “大ファン” のまま、一緒に歌い続けています。
RIOSKE:
KAZちゃんは、出会った頃からずっと、僕自身の活動を俯瞰して見てくれていた人なんです。「どうしたらもっと素敵なパフォーマンスになるか」を、まるでパズルを組み合わせるように考えてくれて、その発想力が本当にすごいなと思っていました。
僕たちは洋楽ルーツという共通点もあって、音楽的な感覚でも通じ合える部分が多かったんです。KAZちゃんは、プロデュース能力も本当に高くて、“自分以上に自分の歌を理解してくれている人” だと思っています。
ペルピンズをより魅力的に見せてくれて、さらに、自分の中にある想いを言葉にしてくれる存在でもあるので、本当に素晴らしい相方ですね。
魔法使いみたいな才能を持っている人だなって、いつも思っています。
KAZ:
魔法使いですか(笑)
そんなふうに言ってもらえて嬉しいです(笑)
── 夢に向かって突き進むためのビジョンが、はっきり見えているようですね。
RIOSKE:
活動していく中で、もちろん色々な意見を出し合うことはあります。
でも、それはお互いを否定するためではなく、“より良い方向へ進むため” の話し合いなんです。気づけば13年間一緒に活動していますが、実は喧嘩をしたことは一度もないですね。
KAZ:
僕たちは、“ひとつの目標に向かって進むための意見交換” を常にしている感覚かもしれません。よく船に例えるんですが、「この方向へ進もう」という目的地はちゃんと決めているんです。
でも、その途中で虹が見えたらそっちへ向かってみたり、夕陽が綺麗だったら少し進路を変えてみたり――。
その時、その瞬間にしか見えない景色や出会いがあるなら、寄り道も楽しみながら進んでいきたい。そういうフレキシブルさは、ずっと大切にしていたいなと思っています。
── TikTokやSNSから広がったペルピンズですが、今はライブをすごく大切にされていますよね。
RIOSKE:
ペルピンズの活動は、これまで画面越しに想いを届けることが中心でした。
でも、実際にファンの皆さんの目を見ながら、僕たちのパフォーマンスを“リアル”に届けることで、より深い “感情の交換” ができるんじゃないかと思っていて。
今、それをライブで実現できていることが、僕たちにとって本当に幸せなんです。
KAZ:
これまでデジタルを通して、たくさんの方に僕たちを見つけていただきました。
だからこそ、そのご恩返しを、またデジタルで返すのではなく、“直接会いに行って届けたい” という想いがずっとあったんです。それが、結成5年目にして実現できていることが本当に嬉しいです。
ファンの皆さんの中には、「東京まではなかなか行けない」という方もたくさんいらっしゃるので、僕たちの方から全国へ会いに行くことで、直接お会いできるのがすごく幸せですね。
普通なら、東名阪や福岡、仙台といった主要都市が中心になることが多いと思うんですが、僕たちは鹿児島や愛媛、山口、鳥取など、本当にさまざまな場所でライブをさせていただいていて、そこで、「SNSやテレビを見てファンになりました!」って声をかけていただいたり、涙を流しながらライブを聴いてくださる方もいて……。
その瞬間に、「この5年間応援してくださった皆さんへのご恩返しが、今できているんだな」と感じます。毎日が本当に楽しくて。僕たちにとっても、ライブはファンの皆さんからいただく“ご褒美”みたいな存在ですね。
「才能」バンドver./ペルピンズ-PeruPines-
── ペルピンズのInstagramのストーリーを拝見すると、ものすごい情報量ですね。
KAZ:
そうなんです(笑)
本当に告知することが多すぎて……。
実は、年内だけでもまだ90公演以上あるんですよ。
ただ、スケジュールって、公開するタイミングがすごく難しくて。
あまり早すぎると忘れられてしまうし、逆に直前すぎても皆さん混乱してしまうので、「いつ出すか」はいつも悩みながらやっています(笑)
──先日の “ある” インタビューで、ライターさんが「津田沼に住んでいます」とお話しされた瞬間、KAZさんが「9月27日に津田沼でライブがあります!」と“秒” で答えられていて驚きました(笑)
KAZ:
(笑)
僕の頭の中には、ある程度データが整理されているんです。
どの地方で、いつ、どの会場でライブをするのかとか、地域ごとのファンクラブ会員数だったりとか……。
そういう情報は、自然と全部頭に入っていますね。
── 実際にライブ会場でファンの皆さんと向き合った時、SNSだけでは分からなかったことはありますか?
KAZ:
画面上では、再生数って「1」としてしか表示されないじゃないですか。
その「1」が、どんな人なのかまでは分からないんです。
でも、例えばイオンモールさんでライブをすると、そこにはご家族連れがいたりして。
「昔、LDHの『VOCAL BATTLE AUDITION』を見ていました」とか、「COLOR CREATION時代から音楽番組を見ていました」というお父さんお母さんがいて、さらにお子さんはTikTokを見てくれていたり。
そういうお話を聞くと、この“再生数の「1」”の中には、本当に色々な世代の方がいるんだなって実感するんです。小さいお子さんもいれば、20代、30代の方もいるし、おじいちゃん、おばあちゃんまでいて。
ペルピンズって、こんなに幅広い世代の方に支えていただいているんだって、ライブ会場では目で見て感じることができます。
だからこそ、その場にいる皆さんに届くように、小さいお子さんが楽しめる明るい曲を歌ったり、大人のファンの方には切ないラブソングを届けたり。
曲によって、世代ごとに違う反応や感動の声を直接感じられる瞬間が、本当に素敵だなと思います。
RIOSKE:
ご家族でライブを観に来てくださった方から、
「ペルピンズの音楽に出会うまでは、そこまで家族仲が良い方ではなかったけれど、今はすごく仲良くなれました」っていうメッセージをいただいたことがあって。
そういう言葉をいただけると、本当に励みになりますし、「頑張ってきて良かったな」って心から思います。
KAZ:
僕たち、ライブでお誕生日をお祝いするのが大好きなんです。
例えば、「5月生まれの方~!」って聞くと、皆さん手を挙げてくださって、その場にいる全員で「Happy Birthday」を歌ってお祝いするんですよ。
会場全体がすごく幸せな空気になって、みんなが笑顔になるんです。
どの会場でも毎回やらせてもらっていますし、これはずっと続けていきたいですね。
こんなに幸せな瞬間って、なかなかないなって思います。
── 今の歌声や表現につながっている「子供時代の原点」は?
RIOSKE:
僕は学生時代、ペルーでボランティア活動をしていました。その頃、友達とバンドを組んでいて、クリスマスに貧しい子供たちへ歌を届ける機会があったんです。
歌を聞きながら、子供たちがどんどん笑顔になっていく姿を見て、「音楽にはこんな力があるんだ」と強く感じました。
それがきっかけで、「日本で本格的に音楽を学びたい」と思うようになり、日本の音楽専門学校へ進むことを決めました。
実は昔から、ペルーに “子供たちが気軽に楽しく学べる音楽学校を作りたい” という夢があったんです。だから僕にとって、“音楽を学びたい” という気持ちそのものが、活動の原点なんですよね。
KAZ:
父がバンドをやっていて、ギターを弾いていたんです。当時は尾崎豊さんの曲をよく歌っていましたね。家族みんな音楽が好きで、自宅にはカラオケセットもあって、年中家族で歌っていました。僕自身も、小さい頃から歌ったり踊ったりするのが大好きで、合唱団に入ったり、カラオケ大会で優勝したこともありました。
小学生の頃には、すでに作詞・作曲をしていて、自分のオリジナル曲も作っていましたね。
── KAZさんとRIOSKEさんの出会いには、どこか運命的なものを感じます。
KAZ:
そうですね。
2021年頃って、「Official髭男dism」さんや「King Gnu」さん、「Mrs. GREEN APPLE」さんなど、“高音ボーカルブーム” と言われる時代だったと思うんです。
その流れの中で、リョウちゃんの持つ “リッチな高音” がTikTokの波にすごくハマったんですよね。そこに、僕のディレクションや見せ方もうまく噛み合って、バズへと繋がっていった。
そういう意味でも、ペルピンズというユニットとしての相性の良さは、すごく感じています。
── 出会って13年の間に、挫折を感じるような時期はありましたか?
KAZ:
音楽そのものというより、「個人でたくさんの夢を叶えていくことの限界」のようなものを感じた時期はありました。
YouTubeの波が少し落ち着いたり、逆にテレビ出演が増えたり、自分たちではコントロールできないことも多くて。
「この先、どう活動していけばいいんだろう」という未来への不安は、常にどこかにあったと思います。
あとは、僕自身が大病を患った時期もあって、健康面への不安もありました。
その頃は、一度 “自分が前に出る活動” を辞めようと考えていた時期もあったんです。
だから当初のペルピンズは、リョウちゃんを中心に、RIOSKEのアカウントから発信していく形で動き始めました。
でも、少しずつ「ペルピンズ」という名前を知っていただけるようになって、2023年にはメジャーデビューもさせていただいて。
困難な時期もありましたが、この5年間、本当にたくさんのチャンスをいただきました。
個人事務所で活動しているにも関わらず、たくさんの企業の皆さんとお仕事をご一緒させていただいたり、とんでもないビッグアーティストの方々とコラボをさせていただいたり。
本当に、色々な方に背中を押していただきながら、今のペルピンズに繋がっているんです。
だから、ひとつひとつの出会いに感謝しかないですね。
「Celebration」
── ペルピンズの曲には “寄り添う力” がありますが、「誰かの言葉に救われた経験」はありますか?
RIOSKE:
僕が日本の専門学校へ進もうとしていた頃、すごく悩んでいた時期がありました。
当時はまだ、今ほどハーフの子たちが多い時代ではなくて、「自分の好きな音楽や表現が、日本で受け入れてもらえるんだろうか」と不安だったんです。
その気持ちを母に打ち明けた時、「私は子供の頃、貧しくて夢を諦めなければいけなかった。だから、RIOSKEには私の分まで頑張ってほしい」
と言ってくれて。その言葉は、今でもずっと心に残っています。母の夢も背負いながら、頑張りたいと思えた大切な言葉ですね。
──「THE UNITY – SUPER VOICES」は、ジャンルも個性も異なる出演者が集まる公演ですが、今どんなことを楽しみにされていますか?
KAZ:
やっぱり“コラボ”ですね。
僕たちにとって憧れの大スターの皆さんと、同じステージに立って歌えることが本当に楽しみです。そして、お客様に楽しんでいただくために、「どんな楽曲を選ぶか」ということも今からワクワクしています。
RIOSKE:
それぞれ違うルーツを持ったアーティストが集まるので、全員が合わさった時に、どんな“シナジー”が生まれるのかがすごく楽しみですね。
「タイムマシン」Lyric Video
── 森崎ウィンさん、THE YARAさん、パク・ユチョンさんという出演者の皆さんには、どんな印象をお持ちですか?
KAZ:
森崎ウィンさんは、今や世界的に活躍されている方ですが、僕は「PRIZMAX」時代から、あのグルーヴ感のある歌声が本当に大好きなんです。
実は、僕たちがまだ新人だった頃以来のご一緒になるので、今回同じステージに立てることが本当に楽しみですね。
THE YARAさんは、やはりダンスパフォーマンスが素晴らしいので、パフォーマーとしてすごく刺激をいただけるんじゃないかと思っています。
そして、パク・ユチョンさんは、「東方神起」時代にファンクラブへ入っていたほど大好きな存在なんです。ずっと憧れていたスターの方なので、同じステージに立たせていただけることを、本当に光栄に思っています。
RIOSKE:
僕も昔、森崎ウィンさんと共演した時からずっと大好きなんです。
ウィンくんはミャンマー出身ということもあって、どこか親近感を持っていました。
アーティストとしての立ち振る舞いや姿勢を見て、「自分も頑張ろう」って、明るい希望や勇気をもらった存在でもあります。
THE YARAさんとの共演もとても楽しみですし、パク・ユチョンさんに関しては、まだ “本当に同じステージに立つんだ” という実感が湧かないくらいですね。
── 7月11日、初めてペルピンズを見るお客様へメッセージをお願いします。
KAZ:
ペルピンズにとって、ホールでのバンド編成ライブは今回が初めての挑戦になります。
そして、この日限りの特別なステージでもありますので、ぜひ楽しみにしていてください。
RIOSKE:
国境を越えた4組のアーティストが集結する、本当に特別なステージになると思います。
それぞれのパフォーマンスが繋がり合う瞬間を、会場の皆さんと一緒に共有して、最高の一日にしたいですね。
音楽の力で、“幸せ”を皆さんと分かち合えたら嬉しいです。
今回のインタビューを通して強く感じたのは、ペルピンズのお二人は、ただ「歌が上手いアーティスト」ではないということでした。
SNSの再生数や数字だけでは決して測ることのできない、“人の心に寄り添う力”を持ったアーティストなのだと思います。
KAZくんのお話からは、常にファンの皆さん一人ひとりを思い浮かべながら、どうしたらもっと楽しんでもらえるのか、どうしたら幸せになってもらえるのかを考え続けている、深い愛情とプロデュース力を感じました。
そしてRIOSKEくんからは、国境や言葉を越えて、人の心を優しく包み込むような温かさと、“歌で誰かを笑顔にしたい”という純粋な想いが真っ直ぐに伝わってきました。
KAZくんの優しさも、RIOSKEくんの真っ直ぐさも、ペルピンズというユニットの大きな魅力なのだと思います。
インタビューの中で印象的だったのは、お二人が「船」のように、自由に景色を楽しみながら旅を続けているというお話です。
虹が見えたらそちらへ向かい、美しい夕陽に出会えたら進路を変える。そんな柔軟さを持ちながらも、決して迷子にならないのは、お互いが互いにとっての“羅針盤”のような存在だからなのではないか——そんなことを感じました。
13年間という長い時間の中で、夢や不安、挫折や挑戦を共に経験しながら、それでも変わらず「大ファン」のまま一緒に歌い続けているお二人の関係性は、とても美しく、そして奇跡のようにも思えます。
今回の「THE UNITY – SUPER VOICES」では、そんなペルピンズのお二人が、どんな“感情の交換”を会場で見せてくれるのか、今からとても楽しみです。
まだペルピンズの音楽に出会ったことのない方にも、ぜひ一度、その歌声と温度を“リアル”に感じていただきたいと思います。
きっとそこには、画面越しでは伝わらない、“幸せというGIFT” があります。
撮影:間野真由美
映像協力:株式会社ONE DAY
ペルピンズ
ペルピンズはペルー×日本のハーフRIOSKEと、フィリピン×日本のハーフKAZから成る人気急上昇中の音楽ユニット。RIOSKEの圧倒的な歌唱力とKAZのディレクション能力で、 総合的な音楽活動を展開。
「ねぇねぇRIOSKE!〇〇うたって」の動画がSNSでバズり、総フォロワー数は150万人を超え、動画の累計再生回数は10億回を突破。
フジテレビのオールスター合唱バトルでは、ミリオン再生合唱団のリーダーを務め、3度の優勝に導く。
ワーナーミュージックからメジャーデビューを果たし、数々のフェスやイベントなどでアーティストとしても精力的に活動を行う。
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